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雇われるだけの人生から目指せ独立、社会人2年目なゲーム脳SEのブログ。更新頻度=週2~3回。
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月曜日にシゴタノ!にも掲載されておりますが、
今週の日経アソシエのテーマは「しないことリスト」でした。

「すること」ではなく、「しないこと」を決めることで、より重要なことに自分のリソースを
集中することができる!
という内容でした。
それに、自分にとって本当に良くない行動というのは、
パレートの法則に基づくと、全体の2割しかないはずなのです。
その2割をやらないことで、8割も改善効果が得られるというわけです。

それに基づきまして、以前から自分なりに持っていた「しないこと」リストに
こんな条項を追加してみました。
・残業しない
・納期を守らない
・妥協した仕事をしない
・腹八分以上(目安は、朝500kcal、昼800kcal、夕600kcal、その他間食等300kcal)食べない


「上二つと三番目が矛盾しまくっているじゃないか!!」とか
「これだから最近のゆとり社員は・・・」とか
ひどくたたかれそうなのは目に見えています。

ですがあえて言いたい。
その納期、守る価値がありますか?
納期を守る=プロですか?
守ることで、本当に幸せになるのは誰で、不幸になるのは誰ですか?



今の私のいる現場の状態は悪くなる一方です。
今週の主な笑えるトピックは、
「今作っている新しい画面Aの現行システム上での処理内容を、半年間誰一人正しく理解していなかった」
「ある入力項目(仮にユーザIDとします)の入力の仕方、データベース上での保持の仕方がてんでバラバラ
(たとえば、画面AではIDと枝番で11ケタ入力させるけど、画面BではIDしか入力させないとか、
画面Cではチェックディジットもつけて12ケタ入力させるとか。
しかもどれが正しいのか、そもそも現在のシステムでも統一されているのかすら謎)」


これが東証一部上場のIT企業のやる仕事です。失笑を隠しえません。
(と同時に、参画してから半年、それらを当たり前のように信じ切っていた自分の愚かさが恥ずかしくなります)
こんな状況にもかかわらず、納品直前の本番並行テストは強行され、納期は4月末だそうです。
では、仮に4月に納品したとして、得をするのは誰ですか?

答えは簡単です。
社長から怒られないですむ客先企業のIT部門担当と、
契約を破らないですむこちら側の営業担当だけです。

それ以外の人が被るデメリットは以下のとおり。
・相手先会社の経営陣は、このような欠陥システムがほぼ間違いなく起こすであろう重大なバグによって
将来的に社会的信頼を失墜させられるリスクを抱える(今日の東証みたいに)。
そうでなくても、「ユーザID一つ入力するのに画面ごとに4種類の入力方法がある」システムが
業務の改善に役立つとは私には到底思えない。作業効率が落ちるだけだと思う。
・一方提供側の企業は、ゴミを暴利で売りつける会社と評される。
納期までに納品したからといって、せいぜいが「当たり前だ」程度の評価しか得られない。
・相手先企業のIT部門、およびエンドユーザは、ひっきりなしにエラーメッセージが出てシステムがダウンするたびに夜中たたき起こされるハメになる。
現に、いま本番稼動している部分のリリース済みシステムは月に1回は何らかの障害を起こしています。
恐ろしいことに、4月末リリース予定のシステムの複雑さはそれらの比ではありません。
・我々エンジニアは・・・言うまでもないですね。


そもそも契約というのは、双方に利益がある、幸せになれるから締結されるものであって、
いったんその条件が崩れてしまったら、契約そのものを見直さなければならないと思うのですが。
(納期も含めて)

だいたい、契約開始地点でこれから作成するシステムにかかるコスト全部を正確に見積もることが
できる人間なんて、この地球上に何人いますか?
契約期間中に購入したネットワークストレージサーバが有り難くない動作不良を起こし、
作業が1カ月遅延することを誰が正確に見積もれますか?(実際の話です)
そんなのは神様か、現人神と呼ばれるレベルの人間にしかできないことです。
少なくとも我々凡人には不可能です。

にもかかわらず、その不正確な見積もりと契約が、あくまで神が定めた絶対の法のように
我々開発陣にのしかかってくるというのはいかがなものかと思うのです。
納期がおかしいだろ!といくら抗議しても、
上から返ってくるのは「そう決められたことだから」。
実際に開発を行っている連中を一切無視して決めておいてその言い分はあんまりです。


ここで、最近のゲーム業界を例えに出しましょう。


以前にも記事で紹介しましたが、Blizzardというゲーム会社があります。
日本以外のゲーム市場では圧倒的な人気を誇り、出すゲーム出すゲームがことごとくミリオンヒットしています。
(日本人にウケが悪いのは・・・やっぱりグラフィックのせいですかね?余談ですけど)
徹底的に作りこまれた、非常に高レベルな品質のゲームは誰もが認めるところです。

そのBlizzard、2002年に「Starcraft Ghost」というゲームを発表しました。
Starcraftとは、日本のゲームに例えるならファイナルファンタジーやドラクエに匹敵する人気タイトル。
その名を冠するだけで、圧倒的な売り上げが出ることは目に見えていました。

ところが、4年後の2006年、
Blizzardはあろうことか完成直前であった「Starcraft Ghost」の無期限開発停止を宣言したのです!

100万本売れるゲームしか作らないのは、100万本売れる品質のゲーム以外を
何があっても発売しないからなのです。

当然販売会社や小売店、果ては発売を心待ちにしていた消費者からは相当な反発があったでしょう。
しかし、この決断によってBlizzardは自らのブランドイメージを守り、
心待ちにしていた消費者に「クソゲー」をつかませてがっかりさせるような事態を回避することができました。


一方で、新興のゲーム会社にFlagship Stadiosがあります。
この会社、先に紹介したBlizzardの超名作ゲーム「Diablo」を作ったメンバーが
独立して立ち上げた会社。
当然のことながら、その処女作「Hellgate: London」には注目が集まりました。
発売日は2007年10月31日に決まり、事実延期されることなくその日にきちんと発売されました。

ですが、評価は最悪でした。
明らかに作りこみが足りない、バランスの取れていないゲーム内容。
自動生成されるマップがクリアできないバグや、
歩いていると地形にハマって歩けなくなるバグも多数発生し、もはやゲームになりませんでした。

先日、バージョン1.0修正パッチが当てられ、これらのバグは解決したようですが、
(修正パッチで1.0ということは、それまでは1未満のベータ版にお金を払っていたということです。
消費者を舐めているのでしょうか)
一度発売日に地に落ちた評価を取り戻すのはやはり難しいようです。


どちらの会社がよりみんなを幸福にしたか、どちらの会社がより高い評価を受けたか、
どちらの会社が真のプロと呼べるか、もはや考えるまでもありません。

これでもまだ「納期を守る=プロ」と言えますか?

私は「ユーザーを幸せにする=プロ」だと思います。


とまぁ、偉そうなことをずいぶん長々と語ってしまいましたが、
データによる裏付けも、経験による裏付けもできない、何の行動も起こせない自分が腹立たしく思えます。

ただのほら吹きにならないよう、とりあえず今週末は出勤して納品物の再チェックでもすることにします。
今の私に必要なのは、
・問題点に気づける感性、問題点をみんなからヒアリングできる社交性
・解決策を考える力
・解決策を押し通す力
で、これらは仕事をするのが一番てっとり早く身に付く様な気がしますから。
(あれ?最初に言っていたことと矛盾する?)
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